福岡県宗像(むなかた)市の認可保育所「日の里西保育園」で、副園長が指導中の園児を殴った傷害容疑で逮捕された事件で、複数の園児の保護者から被害届が出ていることが捜査関係者への取材でわかった。県警は行き過ぎた指導による虐待が常態化していたとみており、他の園児への暴行をめぐって近く再逮捕する方針で捜査を進めている。

 副園長は、保育士でもある清原こづえ容疑者(40)。県警によると、6月26日午前、宗像市日の里9丁目の同園で、上体を反らせ手足で支える「ブリッジ」をさせて歩かせていた年長の男児(6)の顔を殴り、約2週間のけがを負わせた疑いがある。園内の防犯カメラに暴行の様子が映っていた。清原容疑者は「励ますために両頰にタッチしただけ」と話し、否認を続けているという。

 同園では、限界を決めずに運動や学習に取り組む内容で知られる教育法を実践し、ブリッジ歩きの体操はその一環だった。けがをした男児は母親に「ブリッジ歩きの時に遅れたから、こづえ先生にたたかれた」と説明したという。

 同園は1980年に開園。2010年に清原容疑者の母親の由鶴乎(ゆづこ)園長が運営を引き継ぎ、11年4月に清原容疑者が副園長に就任した。

 捜査関係者によると、清原容疑者は罰として子どもを長時間立たせたり、トイレの前でご飯を食べさせたりしていたという。県警に出された被害届にも「子どもが副園長にたたかれた」といった内容のものがあった。

 清原容疑者は、保育士にも長時間正座させるなどの「パワハラ行為」に及んでいたという。清原容疑者の副園長就任後、同園では60人以上の保育士が退職。清原容疑者が顔を殴ったとされる園児がいた年長クラスは、4月ごろに担任が辞め、清原容疑者が実質的に担任の役割をしていた。

 園に対する保護者からの苦情や…

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