職権乱用疑惑浮上、国連機関トップ辞職 事実上の更迭

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ニューヨーク=藤原学思
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 職権乱用疑惑が浮上していた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のトップ、ピエール・クレヘンビュール事務局長が6日、辞職した。「マネジメント上の問題がある」と指摘した内部監査を受け、グテーレス事務総長が休職とすることを発表した直後で事実上の更迭となった。

 事務局長の職務は、8月に副事務局長に任命されたばかりのクリスチャン・サンダース氏が代行する。7月には組織のナンバー2とナンバー3も相次いで辞職しており、約550万人の難民を支援するUNRWAの混迷が深まっている。

 クレヘンビュール氏は赤十字国際委員会事業総局長を経て、2014年3月にUNRWA事務局長に就任。だが、今年7月、部下の女性と「職務を超えた」関係となり、シニアアドバイザーに昇格させたり、ほとんどの出張に付き添わせていたりした疑惑が明らかになった。

 また、ナンバー2だった当時の副事務局長が、夫をヨルダン現地事務所の副所長に任命させるよう内部で働きかけていた疑いも浮上。ナンバー3の官房長が運転手を中傷して休職に追い込んだ疑惑も持ち上がり、クレヘンビュール氏はトップとしての管理責任も問われていた。

 国連関係者によると、クレヘンビュール氏は5日、「採用とマネジメントをめぐる諸問題についての見直しを求められたが、監査担当者は根拠のないうわさ話については気にしていない」と、同僚にメールで弁明。女性との関係は適切だったと訴えていた。

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 国連は6日、クレヘンビュー…

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