不偏不党?の前下院議長、EU離脱は「戦後最大の過ち」

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ロンドン=下司佳代子
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 議場に響く「オーダー(静粛に)!」の大声で知られ、10月31日に引退した英国議会下院のバーコウ前議長(56)が6日、外国記者向けにロンドンで会見した。不偏不党が求められる重職から解放されたバーコウ氏は、英国の欧州連合(EU)からの離脱について「戦後最大の外交上の過ちだ」と率直に語った。

 バーコウ氏は早期のEU離脱をめざすジョンソン政権と同じ保守党出身だが、EU残留派に肩入れするような裁定が賛否両論を招き、強硬離脱派からは中立性が疑問視された。バーコウ氏は会見で「英国の国際的な地位を考えた時に、離脱は英国のためにならない」「国同士の連合や貿易圏の一員でいた方がいい」などと自らの考えを明かした。

 「議会で離脱をめぐる分断が続くのは、分断された国全体を反映しているからだ。全ての人の声を聞くことが民主主義だ」とも述べ、多くの議員の発言を許し、離脱審議の時間がしばしば予定を大幅に超過したことを釈明した。

 バーコウ氏は、要職にない議員が閣僚に政策をただす機会を積極的に設けたことが称賛された一方、離脱問題をめぐる裁定は「残留派寄り」と指摘された。どの動議を審議や採決にかけるかは議長の権限で、10月末の離脱を延期することにつながる野党の法案がスピード成立した陰にもバーコウ氏の裁定があった。

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 一方でバーコウ氏は会見で「…

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