楽天の送料無料化がはらむ法的問題 出店者ら組合めざす

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中野浩至
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 ネット通販サイト「楽天市場」を運営する楽天が、購入額が3980円以上になれば配送料を無料とする方針を打ち出している。楽天は「実際にかかる配送料分は出店者が負担する」としているといい、出店者側からは不満が噴出。楽天に対抗するための組合をつくり、団体交渉に向けて動き始めた出店者もいる。

 楽天による「送料無料」の方針は、今年1月の三木谷浩史会長兼社長の発言で打ち出された。一定額以上を購入すれば送料を無料にする仕組みとされ、8月にはその価格ラインを「3980円」と発表。10月末には「沖縄・離島等」のラインを9800円とし、制度開始を2020年3月中旬にすると明らかにされた。

 これに慌てたのが、サイトの出店者たちだ。

 「店舗に一部でも負担させるとか言語道断」「店舗が困らない環境を(楽天が)提供するのが筋」――。出店者向けの掲示板「RON(Rakuten Owners Network)会議室」には、批判的なコメントが数多く書き込まれている。

 掲示板では、価格ラインの是非を問うアンケートも実施された。その結果、6日夕時点で「反対」が2千を超えたのに対し、「賛成」は7しかなかったという。アンケートは実名投票で行われたといい、実施した出店者は「店舗側の意思を目に見える形で示したかった」と話す。

 楽天が送料無料を目指す背景には、同じくネット通販サイトの「アマゾン」の存在がありそうだ。アマゾンジャパンは、自社から発送するものは基本的に2千円以上で通常配送を無料としている。

 一方の楽天市場は、出店者が独自に送料を設定しており、無料の場合も有料の場合もある。料金の統一性もなく、利用客から「わかりにくい」という意見があったという。楽天が実施した実証実験では、送料無料の基準を設ければ購買金額と店舗の新規顧客数がそれぞれ約15、14%上昇した、と楽天は説明する。

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■「法律違反を助長とも言える…

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