富士フイルム、米ゼロックス買収断念 泥沼対立に終止符

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高橋諒子 ニューヨーク=江渕崇
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 富士フイルムホールディングス(HD)は、米事務機器大手ゼロックスの買収を断念する。代わりに米ゼロックスとの合弁会社である事務機器大手の富士ゼロックス完全子会社化すると5日、発表した。米ゼロックスから富士ゼロックス株の25%などを買い取る。米ゼロックスが買収合意を破棄してから泥沼化していた対立に区切りをつける。

 富士ゼロックスは富士フイルムHDが75%、米ゼロックスが25%を出資している。事務機器事業で提携した両社が1962年に設立した。富士フイルムHDが約2530億円を投じて今月中に完全子会社化する予定だ。

 富士フイルムHDは2018年1月、米ゼロックスが富士ゼロックスを完全子会社化したうえで、富士フイルムHDが米ゼロックスを買収すると発表した。ところが、富士フイルム側に追加の現金支出が要らない買収手法だったことから、米ゼロックスの大株主が「詐欺的なスキームだ」などと猛反発。米ゼロックスは18年5月、買収計画についての合意を一方的に破棄した。富士フイルム側が翌6月、「契約違反」だとして10億ドル超の損害賠償を求める訴訟を米裁判所に起こすなど、両社の対立は泥沼化していた。

 富士フイルムHDは、富士ゼロックスの完全子会社化を受けて、米ゼロックスに対する訴訟も取り下げる見通し。富士フイルムHDの古森重隆会長は5日の記者会見で「(買収は)米ゼロックス側が提案してきた話。もう経営統合は考えていない」と話した。

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 古森氏は富士ゼロックスにつ…

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