台風で動物園のサル100匹野放し 住民周知は1カ月後

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今泉奏 松本江里加
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 9月に千葉県を直撃した台風15号の影響で、高宕(たかご)山自然動物園(同県富津市)の柵が壊れ、ニホンザル約100匹が野放しになっている。運営する市は住民に約1カ月知らせず、2カ月たっても補修や逃げたサルの捕獲のめどは立たない。専門家は、外来種との交雑が進む恐れを指摘する。

 9日朝、人気のない園内ではサルが倒れたトタンの上を飛び回り、壊れた金網の隙間を自由に出入りしていた。園周辺にはフンが散乱している。

 高宕山のサル生息地約11平方キロは国の天然記念物で、上皇さまが皇太子時代に視察したこともある。園は年約1万人が訪れる地域の観光資源で、市が運営し、地元観光協会が約60年、管理してきた。

 9月9日、台風15号の強風で園の柵が倒れ、約100匹のうち約20匹の行方がわからなくなった。残るサルも朝夕のエサの時間には戻るが、放し飼いの状態だ。

 市が保健所や警察署に連絡したのは約2週間後。近隣住民に伝えたのは、約1カ月後だった。人的被害は出ていないが、近くの60代女性は「農作物への被害を考えると心配」と話す。

 市の担当者は「災害対応に追われていた」と釈明。市は鉄柵の設置を検討中だが、予算不足もあって着工の予定は立っていない。

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 外来種との交雑も懸念されて…

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