日中韓やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP(アールセップ))」の首脳会合が4日夜、タイ・バンコク近郊で開かれた。インド外務省のビジェイ・シン局長は会合後の記者会見で、「インド政府は首脳会合でRCEPに参加しない決定を伝えた」と述べ、交渉から撤退する考えを明らかにした。
首脳会合では、目標としてきた年内の最終的な妥結を断念した上で、インドを除く15カ国が来年の署名をめざして作業に入ることで合意した。このままインド抜きの協定となる可能性が高まってきた。
交渉が始まった2013年以降、16カ国での発足をめざしていたが、巨額の対中貿易赤字を抱えるインドは、関税の引き下げや撤廃に難色を示してきた。中国製品がさらに流入し、国内産業が打撃を受ける恐れがあるためだ。
シン局長は会見で、「インドにとって重要な懸念が解決されていない。モディ首相は(RCEP参加による)国民生活に与える多大な影響を重視した」と語った。記者からの「来年ではなく、今後入らないという意味か」との質問には、「参加国に対してRCEPには今後入らないとすでに伝えた」と答えた。会見後には、朝日新聞の取材に対し、中国側との交渉を打ち切る方針を示した。
一方、西村明宏官房副長官は…
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