トレンド変わるラグビー 日本のさらなる躍進のカギは

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2007年W杯日本代表CTB
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大西将太郎の目

 自分たちの強みは何か。そこを信じ切れたところにラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で南アフリカ3度目の優勝の要因がある。それは身体的強さを生かした防御だ。

 イングランドとの決勝でも迷いはなかった。特に自陣22メートルライン内側に攻め込まれてから、より集中力が増していた。あれだけ攻め込まれてもゴールラインを割らせなかったのはさすがだ。

 「ディフェンス」(防御)という言い方をすれば受け身の印象を受けるが、南アの場合は「攻撃的ディフェンス」。球を保持されても、主導権を常に握っていた。間合いを速く詰め、判断する時間を与えずにタックルで仕留めた。

 そうしてペースを握って反則を誘い、SOポラードがPGによる3点を積み重ねた。強いタックルで相手を押し込むこともできた。

 後半はマピンピ、コルビの両WTBが1トライずつ。密集周辺の攻防で南アに威力があったからこそイングランド選手の意識が内側に向けられ、外の防御を整えることができなかった。強いフィジカルを基に戦術を組み立て、戦いきる。ベンチメンバー23人全員がぶれなかった。

 イングランドは前半早々にスクラムの中心、右プロップのシンクラーが負傷退場し、スクラムで劣勢になったのが響いた。そうでなければ防御が崩れず、あれほどの点差は開かなかった。

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 唯一、SOフォードのタック…

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