ロンドン=下司佳代子
欧州連合(EU)からの離脱派が残留派を上回った国民投票から3年余の英国で、ジョンソン政権の離脱方針への民意が問われることになった。議会承認で行き詰まった同政権は、国民の信任を得て離脱を急ぐ考えだが、総選挙は突破口になるのか。
「野党は離脱の議論を永遠に引き延ばしたいだけ。離脱を実現する唯一の道は、議会を一新し、国民に選択肢を与えることだ」
29日の英議会下院で、ジョンソン首相はこう述べた。
直後の採決で、最大野党・労働党は、前日までの姿勢を改め、総選挙を12月12日に行う法案に、コービン党首ら所属議員の約半数が賛成した。支持率が振るわず、本音は総選挙には消極的だったが、10月末の離脱期限が来年1月末まで延期され、それまでの「合意なき離脱の回避が優先」という選挙拒否の主張も成り立たなくなった。
10月末までに「何が何でも」離脱するとの公約を守れなかったジョンソン政権は、解散総選挙に起死回生をかけた。
7月末に就任したジョンソン氏…