美術家・森村泰昌が新作「能」 変わりゆく街を問う

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増田愛子
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 泰西名画の登場人物に扮したセルフポートレートで知られる美術家森村泰昌が、自ら筆をとった新作「能」で舞台に立つ。大阪、京都、神戸の京阪神3都市の下町を巡る物語だ。

 昨年も、森村は東京やパリで劇場型パフォーマンスを上演した。生身の身体表現に取り組む理由を「写真は今や、現実の世界を真に写し取る道具ではなく、データになった。加工技術も高度になり、何でも出来る。でも、僕は『生の人間がチャレンジする』ことを作品の大切なよりどころとしてきた。今の時代、自分の身体を使うことへのこだわりを見せるには、これまでの方法だけでは収まり切らないと思う」と話す。

 今回の創作は、神戸市長田区で隔年で開催されている「下町芸術祭」の3カ年プロジェクトの締めくくりだ。森村はメンバーと、再開発で変わる街並みなどをリサーチ。自身が旅人に扮し、3都市の下町を象徴する存在、洲波(は)羅(すはら)(京都・崇仁/東九条)、火魔我蹉鬼(かまがさき)(大阪・釜ケ崎)、富久破裸(ふくはら)(神戸・新長田)を巡るという構成に、夢幻能のイメージを重ねた。

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 森村にとって、下町とは「表…

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