現代アートの値段、裏側に迫る映画 学芸員の感想は?

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田中ゑれ奈
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 誰が、どうやって、「芸術の価値」を決めるのか――。覆面アーティストのバンクシーが落札直後に作品を細断し、英国の宮殿からは18金製のトイレが盗まれるなど、何かと話題に事欠かない現代アート。その裏側に迫るドキュメンタリー映画「アートのお値段」が公開中だ。アートの世界を知る学芸員にも感想を聞いてみた。

 舞台は秋のサザビーズ・オークション目前のニューヨーク。「高く売れる作家」の代表格であるジェフ・クーンズは新作の制作費について聞かれ、「2500万から5千万ドル(約54億円)の間でできるでしょう」と豪語する。

 一方、若手作家ジデカ・アクーニーリ・クロスビーは「(金銭的な成功は)原動力にならない」と苦笑する。

 オークショニア(競売人)の一人は「美術館はまるで墓場」。だが、現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒターは「(個人コレクションとして飾られることで)家の価値を上げるなんてごめんだ」と語る。

 作家や美術評論家、ギャラリスト、キュレーターら十人十色の価値観が渦巻く世界。ナサニエル・カーン監督のカメラは最後に、一人の老有力コレクターの「ある決断」を描く。

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