阪急宝塚線、100年を旅する唱歌 音大生がリメイク

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柳谷政人
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 1910年に開通した箕面有馬電気軌道(現在の阪急宝塚線)の沿線PRソング「箕面有馬電車唱歌」を、大阪音楽大(大阪府豊中市)の学生らが現代版にリメイクし、ミュージックビデオ(MV)を11月から公開している。唱歌にうたわれる沿線の風景や名所を撮影。大都市と郊外を結び、沿線開発の先駆けとなった宝塚線の過去と現在をつなぐビデオになった。

 企画したのは、ミュージックコミュニケーション専攻4年の坂井威文さん(31)。同大が主体となり、宝塚線沿線の音楽ホールでリレー形式のコンサートを開くイベント「阪急宝塚線ミュージック駅伝MOT!」の学生リーダーを務める。企画を考えている際に浮かんだのが、沿線住民から今も愛される阪急グループ創始者の小林一三氏。調べると、開業当時に「唱歌」が作られていた。

 明治期、鉄道の敷設が進むと、沿線PRのため、地名や名所を連ねて歌う七五調の「鉄道唱歌」「電車唱歌」が各地で作られた。箕面有馬電気軌道もこれにならった。

 東風(こち)ふく春に魁(さきが)けて 開く梅田の東口――。唱歌はこう始まり、15番まで、沿線の地名や名所を歌う。

 開通日の1910年3月10日付の大阪朝日新聞には「同社に於(おい)て作歌せし箕面有馬電車唱歌を印刷して市内各小学校全部及び沿道の各小学校に配布す」との記載がある。作詞・作曲者は不明だが、阪急文化財団(大阪府池田市)によると、「小林氏ではないか」と言われているという。

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 坂井さんは、今春から曲のリ…

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