佐渡で「日本のボウモア」を ウイスキー製造1年で金賞

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中村建太
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 海岸から続く小高い丘の途中に「新潟麦酒(ビール)」(新潟市西蒲区)の工場がある。敷地に立つ倉庫には、ミズナラで作った熟成用樽(たる)が九つ並んでいた。強いアルコール臭が鼻をつき、遅れてコクのある甘い香りが漂ってくる。クラフトビールを中心に製造してきた同社が今、力を入れるのがウイスキーだ。

 乗り出したのは2017年。「熟成する年月が商品の価値を高めるところが面白い」と宇佐美健社長(61)はいう。ビールとウイスキー。同じ麦芽を原料とし、製造工程も共通する部分がある。100種以上のビールを手がける同社には、ウイスキー作りに挑戦できる素地があった。

 新潟で蒸留した原酒と、本場スコットランドで熟成した原酒を混ぜ、ミズナラの樽で寝かせる。こうしてできたブレンデッドウイスキー「越(こし)ノ忍(しのぶ)」は3月、アメリカの酒類品評会「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」で最高賞に次ぐ金賞を獲得。ピュアモルトも銅賞を受賞した。過去にサントリーの「山崎」や「響」も金賞を受けた。事業開始から約1年での快挙に、宇佐美さんは「認められてほっとした」と明かした。

 新潟市出身。東京の外資系製薬会社に勤めたあと、30歳を前に独立。ちょうどその頃、ブームになっていたのがクラフトビールだった。試飲会で生産者から「大手商品の味を目指した」という話を聞き、「自分は飲みたい味を作ってやろう」と思い立った。

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