氾濫しても出さなかった「氾濫情報」 混乱極めた国交省

有料記事台風19号

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 90人を超える死者・行方不明者を出した台風19号は、各地で川の氾濫(はんらん)をもたらした。1級河川の那珂(なか)川では、国土交通省茨城県内での越水を確認しながら「氾濫発生情報」を出さずに、謝罪する事態に至った。災害が現実となったことを伝える重要な情報がとめおかれたのはなぜか。背景を探ると、大量の情報をさばききれなかった組織の体制の不十分さと、自治体との連携不足が浮かび上がった。

 茨城県常陸(ひたち)大宮市。

 市内を斜めに横切る那珂川は、天然のアユ釣りで知られる清流だ。そして、過去に氾濫を繰り返してきた暴れ川でもある。

 台風19号の通過にともない、市内の水位計が氾濫注意水位3・5メートルを超えたのは、10月12日午後11時20分ごろだった。堤防の点検を始めた国交省常陸河川国道事務所は13日午前1時半ごろ、市内2カ所で水があふれていると監視委託員から報告を受けた。上流の栃木県大田原市では、11~12日の雨量が過去最高の300ミリ超に達していた。

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 だが国交省事務所は、これだ…

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