高野真吾
高島屋横浜店(横浜市西区)が10月1日、開店60周年を迎えた。店舗を改築し、サービス充実を目指し、元気に「還暦」となった。同店は食料品フロアを拡充し、引き続き成長を目指す。一方、港南台店(同市港南区)は来年8月の閉店が決まった。専門家は県内百貨店の二分化を指摘する。(高野真吾)
「ここは若い人が通る場所だし、食料品は人を集められる」
高島屋横浜店の地下1階の入り口を出て横浜駅に向かう地下街の一角。行き交う人々を前に、同店の猿田文彦・営業企画担当課長は、力強く話した。
同店は2021年春に食料品フロアの面積を、今の約1・5倍とする計画を進めている。相鉄ジョイナスから一部フロアを借り受ける。現在、約3300平方メートルに151店舗が出店しているのが、約5千平方メートルに拡充され、約200店舗まで増える。
すでにタピオカドリンクやバターサンドクッキーの専門店が店を構え、以前と比べ若い女性をひきつけている。総投資額は約21億円。増床により、同フロアの年間売り上げが70億円アップすると見込む。
同店はこの60年、増床とサービス拡充を繰り返してきた。今の売り場面積は、1959年の開店時からは約4倍。自分の好み通りの商品を手にしたい顧客のニーズに向き合ってきた。居心地のよい空間になるよう、クロークの新設などにも努めてきた。
高島屋が現在、全店で力を入れ…