今月上旬に選挙区内で寄付行為を行ったとする「買収疑惑」が週刊誌報道で浮上して以来、野党から追及を受けてきた菅原一秀経済産業相が辞任に追い込まれた。

 政権は、当初報じられた菅原氏が選挙区の有権者らにカニやメロンなどを贈ったとする疑惑には、「だいぶ古い話だ」(政府高官)として問題視しない姿勢だった。菅原氏本人が「(贈った記憶は)私の認識ではない」と否定していたことに加え、贈答品を贈った時期が2006~07年ですでに公訴時効を迎えていたからだ。

 しかし23日になって、週刊文春のウェブサイトで、17日に菅原氏の秘書が地元有権者の通夜で香典2万円を渡したとする記事が報じられると、与党内からも進退論が浮上。「もう持たない」(公明党幹部)など、早期辞任を求める声も上がる中、政権は「政治家として大臣自身が必要な説明をされるべきだ」(菅義偉官房長官)として、菅原氏自らに25日の衆院経産委員会で説明させる方針だった。

 委員会当日朝の辞任に、菅原氏は「経産委員会の準備もしていたが、一晩考えて決意した」と語った。

 菅原氏は菅氏と近いことでも知られ、菅氏を支持する自民党無派閥議員が立ち上げた「令和の会」のまとめ役。菅原氏の入閣をめぐっては、菅氏が「ちゃんと仕事をした人を評価して下さい」と安倍首相に推した経緯があった。党内からは「菅さんが引導を渡さないと」(ベテラン議員)など、菅氏に批判的な声もあがっていた。菅氏に近い梶山氏が後任に決まったこともあり、衆院の中堅議員は「菅さんに近いところで入れ替える『菅人事』だ」と話した。

 菅氏は25日午前の閣議後会見…

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