かつて「白人のスポーツ」 ラグビー南アに初の黒人主将

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木村健一 菅沼遼
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 ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会は26、27日に準決勝を迎える。27日に横浜国際総合競技場でウェールズと対戦する南アフリカは長く人種差別問題を抱え、かつてラグビーは「白人のスポーツ」とされていた。チームを引っ張るフランカーのシヤ・コリシ(28)は、同国代表初となる黒人の主将だ。

 人種隔離政策(アパルトヘイト)の終結が宣言された1991年6月、コリシは南部の貧困地域で生まれた。母は当時16歳で、祖母に育てられた。祖母が倒れるとコリシが看病し、学校に行けないこともあった。

 8歳でラグビーを始め、強豪校の目にとまり、奨学金を得てトップチームに進んで才能が花開いた。パワーとスピードを兼ね備えたFW第3列で、代表の一員として前回W杯に出場。昨年、主将に指名された。「主将になったことはうれしいが、『黒人初』は意識していない。南アの主将というのは本当に特別なことだ」とコリシは話す。

 アパルトヘイトに伴う制裁が解除され、南アが初めてW杯に出場したのは95年の第3回大会だった。自国開催の舞台で、チームは「One Team, One Country(一つのチーム、一つの国)」というスローガンを掲げて初優勝を果たした。当時10歳だったフランカーのフランソワ・ロー(34)は「国全体がラグビーを通じて一つになった。国の歴史にとってとても大事な瞬間だった」。クリント・イーストウッド監督が映画化した「インビクタス」でも知られる大会だ。

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 このチームの黒人選手は故・…

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