全国大会の演奏直前、部長ミッチーが流した涙の訳(奏でるコトバ、響くココロ)
鹿児島市立桜丘中学校
夢響
「プログラム2番。九州代表、鹿児島県、鹿児島市立桜丘中学校吹奏楽部。課題曲Ⅱに続きまして、スミス作曲《交響曲第1番「神曲」より》。指揮は坂下武巳(たけみ)です」
全日本吹奏楽コンクール全国大会の中学校後半の部。アナウンスが響く中、まばゆい光の中に桜丘中吹奏楽部顧問の坂下と部員たちがいた。演奏者として50人までが出場できる大会で、桜丘中は38人。他校に比べてステージが広く見えた。
部長の「ミッチー」こと慶田みちるは緊張とプレッシャーに負けそうになりながらも、必死に自分を鼓舞した。
「この38人の音圧で会場を圧倒しよう! 私たちの『夢』を音に変えて、ホールいっぱいに『響』かせよう!」
坂下が6年前に桜丘中に赴任したとき、当時の3年生とともに決めたモットー『夢響(むきょう)』が、代々引き継がれている。
桜丘中では、土日の練習やホール練習のときに気合を入れるために鉢巻きを締める。毎年違う色の布を使う。今年は紺色で、中央部分に金色の文字で「夢響」と刺繍(ししゅう)されている。
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全国大会のステージに立った…
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