ラグビー選手、次は女子 W杯が追い風、じわり拡大中

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花房吾早子
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 2日夜の決勝で閉幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で、日本は初の8強進出で盛り上がった。男子だけでなく、年々選手が増えている女子ラグビーの関係者も今後に期待を寄せる。「ラグビー女子」の現状を追った。

 かつてテニスコートだったグラウンドで、5人の女子選手が次々と楕円(だえん)のボールをパスしていく。長野県飯田市の飯田女子高校。2016年にできたラグビー同好会は、県内唯一の高校の女子チームだ。

 県内初のラグビースクールが1972年にできた飯田市には、全国高校ラグビー大会に出場経験のある高校が複数ある。だが、高校の女子チームはなかった。中学まで地元のクラブチームでプレーした女子選手は、高校で男子ラグビー部に入ったり、女子ラグビー部がある県外の高校に進学したりしてきた。

 女子選手をどう定着させるか。キーパーソンの1人となったのが、飯田女子高で英語を教えるアントニー・カドワースさん(45)。母国ニュージーランドで女子ラグビーの指導経験があり、同好会の監督を引き受けた。「女子ラグビーは発展途上。私たちにも全国で戦えるチャンスがある」

 同好会のメンバーは現在11人。飯田女子高の生徒は3年の深沢蛍さん(18)だけで、あとは他校の高校生と中学生だ。長野県松本市出身の深沢さんは、小学6年から始めたラグビーを続けたいと飯田市内で一人暮らしをしながら同校に通っている。だが、全員そろっての練習は難しく、「部員がいっぱいいる部はいいなと思う」。

 地域のスポーツ振興を担うNPO法人南信州クラブのマネジャー、小沢健さん(62)は、遠方から同好会の練習に通う中学生を車で送り迎えするなどサポートしている。同好会は遠征費などに生徒会の予算が使えないため、クラブが援助することもある。「中学卒業後も地元でラグビーを続ける子が増えてほしい」

 四国には、日本一を目標に創部された女子ラグビー部がある。徳島市の四国大学女子7人制ラグビー部。2017年にできた中四国初の大学女子ラグビー部だ。「目玉のスポーツ部」をつくり、少子化と人口流出が進む地方の私学に若者を呼び込むきっかけにしたい――。そんな思いを込める。

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 監督は、女子のクラブチーム…

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