まだ終わっていないリクナビ問題 カギ握る「クッキー」

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経済インサイド

 就活情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、就活生の内定辞退率を同意なしに予測して企業に売った問題。法律違反だとして政府の個人情報保護委員会に改善勧告を受け、同社は謝罪。サービスはすでに廃止された。しかし、法律違反と指摘されたデータ以外の取り扱いにも問題があったとの指摘が出ている。問題点を探ると見えてくるのは、普段よく見るインターネット広告との共通点だ。毎日のようにネットを見る私たちは、何らかの形でその利用履歴を様々な事業者に利用されることが、もはや日常になってきている。

19年3月を境に扱いに差が

 リクナビが内定辞退率を予測して企業に販売していたサービス「リクナビDMPフォロー」は、2018年3月に始まった。企業から前年の内定辞退者のリストを受け取り、AI(人工知能)で内定辞退率を予測するアルゴリズム(計算式)を作成。次に企業からその年の志望者のリストを受け取り、志望者のリクナビの閲覧履歴にアルゴリズムを掛け合わせ、内定辞退率を予測していた。内定辞退率を算出されたのは19年3月以降に約6万3千人、19年2月以前に約1万2千人の合計約7万5千人にのぼった。

 今回是正勧告を受けたのは、19年3月以降に算出した約8千人分についてだ。

 19年3月以降については、企業から志望者の氏名など「個人情報」そのもののデータを受け取り、それを分析して内定辞退率を予測した。個人情報保護委は「個人情報を扱っていた」とし、予測にあたって学生の同意を得ていなかった8千人分について法律違反だと指摘した。

 リクナビは問題点を認め、この8千人に謝罪メールを送信し、自分が算出対象だったか調べる特設サイトも設けた。ただ、19年3月以降に内定辞退率を算出された残りの5万4千人分については、同意をとっていたため法律違反には問われていない。

 では19年2月以前はどうか…

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