働き方改革でオフィス早々消灯→きょうもファミレス残業

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平井恵美
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 多くの企業が「働き方改革」を進めています。今年4月に関連法が施行され、まずは大企業を対象に残業時間に罰則付きの上限規制が設けられましたが、終わらない仕事を「サービス残業」でこなしている社員も少なくないようです。みなさんの働き方は変わりましたか。(平井恵美)

「働き方改革」に取り組む企業が増えています。長時間労働の見直しや有給休暇の取得促進、多様な働き方の拡大など施策は様々ですが、みなさんの実感はいかがでしょうか。体験談などをお寄せください。朝日新聞経済部労働チームのメール(t-rodo@asahi.comメールする)へ

残業規制でファミレスへ

 深夜1時過ぎ、酔客もまばらになった東京都内の繁華街。その一角にあるファミリーレストランで、40代の男性会社員がパソコンに向かっていた。

 男性は広告業界で働く。この業界では、2015年に電通で起きた新入社員の過労自殺をきっかけに各社が「働き方改革」を推進。男性の会社でも長時間労働を是正しようと早めの退勤が促され、オフィスは午後10時には消灯するようになった。

 社内で際限なく働くことはなくなった。だが、今でも夕方以降に「明日までにやって欲しい」と案件が持ち込まれることがある。週1~2回は午後10時に退社後、資料の分析や企画書の作成をファミレスに持ち込む。仕事の多いときは午前2時半までかかることもある。翌朝はいつも通り、子どもを保育園に送ってから出社する。

 男性は「残業時間だけ規制されても、前年より売り上げ増を求められるし、仕事は終わらない。短い時間でいかに成果をあげるのか、という議論が社内ではない」と話す。

誰のための改革?

 勤務表上、4月以降の残業は月45時間までに収まっているが、実際はそれより20時間程度多く働いている。残業代が減り、以前より外食や旅行を控えるようになった。もっと仕事を効率的にできないか、自分なりに探っているが、業務に追われて取り組む余裕がない。ある上司には「みんな社外で仕事をやっている」と言われた。

 男性は「深夜残業を規制するだけでは問題は解決しない。会社の働き方改革は一体、だれのためなのか。法律違反にさえならなければいいと考えているのではないか」と首をかしげた。

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■労働時間、少なく入力…

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