3年前の台風10号で母を失い、今回の台風19号で兄も帰らぬ人となった。岩手県岩泉町に住む女性(68)は「台風で2人も家族を失うとは思わなかった」と唇をかむ。
女性の兄の穂高(ほたか)正美さん(71)は、養殖業を営んでいた。台風が迫っていた12日夕、養殖していたギンザケの稚魚を風雨から守ろうと、同居するおいと2人で隣町の田野畑村にある養殖池に向かった。
パイプにゴミがつまらないようにした後、他の養殖池も見回るため、2人は別々の車で岩泉に戻った。13日午前2時ごろ、前を走っていた軽トラックが突然、おいの視界から消えた。台風の影響で陥没した場所に車が突っ込み、6メートル近く下に転落していた。「危ない、死ぬところだった」。おいが助け出したときにはそう話していたという。
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だが、しばらくすると、正美…
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