おりづるタワー、広島マツダ会長「細部こだわり恩返し」

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近藤郷平
【動画】原爆ドームそばの「おりづるタワー」をつくった広島マツダの松田哲也会長兼CEO
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 世界遺産原爆ドーム広島市)の隣に立つ「おりづるタワー」。開業3年が過ぎ、観光スポットとしてにぎわう。タワーを運営するのは自動車販売業の「広島マツダ」。松田哲也会長兼CEO(50)は「この景色に出会った瞬間、絶対に見てもらわないといけない」と感じたという。廃虚から復興した地元への「恩返し」の意味も込めた。

 高さ約50メートル。「ひろしまの丘」と名付けた屋上展望台からは、近くに原爆ドームや平和記念公園、遠くに宮島が広がる。吹き抜ける風を感じながら平和に思いをはせたり、くつろいだり。思い思いに過ごせる空間で、訪日外国人客の姿も増えてきている。

 「原爆の廃虚から、人の強さで創り上げられてきたこの街、美しい街を、世界中の人に見てほしい」。同社を創業した祖父や従業員らが原爆の犠牲となったこと、復興とともに車が街を駆け、会社も成長してきた歩みなどを重ね合わせながら、松田会長は思う。

 社名から自動車販売の印象が先行するが、不動産業も収益の柱の一つ。10年前、売りに出されていた大手保険会社のビルの屋上から見た景色に一目ぼれした。「地元企業らしい恩返しを考えていた時に出会い、自分の思いとリンクした」。ビルを購入し、大規模改修。自分でつくった折り鶴を上層階から下へ投げ入れる「おりづるの壁」は、完成時期を遅らせてまで設置するなど、こだわり抜いた。

 2045年を意識したプロジェクトでもある。「戦後100年を一つの区切りとして、(展望台から見える)街がどう変わっているか。ロングスパンで理想の街をつくっていこうよ、と」。見て、感じたそれぞれの思いを胸に前に進んでいってほしいと願っている。

広島マツダ 松田哲也会長兼CEOインタビュー

 「おりづるタワー」に込めた思いなどについて、マツダの創業家出身で、広島マツダの松田哲也会長兼CEO(50)に聞いた。

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 ――「おりづるタワー」の開…

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