災害ボランティアをやりたい② 準備は現地入り前に

台風19号

佐藤卓史
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台風19号支援通信

 ボランティアに行くには、どんな準備が必要なのか。

 ボランティアは自分ができることをすればいい。泥かきなどの力仕事ができなくても、掃除、炊き出しや足湯、避難所の運営支援といった役割もある。長期的には被災者の話し相手や仮設住宅などでの生活支援をNPOなどが募るケースもある。無理をしては逆に被災地に負担をかけることになりかねないから、自分ができる役割を考え、それに沿った備えをしていくことが大切だ。

 被災家屋で泥かきや家具の運び出しなどに携わる場合は、安全と衛生面に気をつける。ヘルメットや、とがったものを踏んでも大丈夫な長靴があったほうがいい。泥は様々な汚れを含んでいるため、感染症の危険もある。マスク、長袖長ズボン、ゴム手袋、ゴーグルといった肌やのど、目を守る装備が必要だ。床下や停電家屋での作業にはヘッドライトも役に立つ。

 スコップなどの道具は現地のボランティアセンター(ボラセン)で用意していることも多いが、持参できれば重宝する。雪かき用のプラスチック製のスコップは、乾燥後の泥かきにはあまり役立たない。また、道具を多く積んでマイカーで行く場合は、復旧に従事する車両の妨げにならないよう、道路状況や駐車スペースを確認してから現地に入ろう。またボランティアに公共交通機関の利用を求めている場合もあれば、交通機関が被災して止まっているケースもある。こうした点も事前に調べておこう。

 活動中の事故などに備えるため、ボランティア活動保険がある。保険料は年数百円程度。できるだけ出発地で入っておく。地元の社会福祉協議会(社協)などに相談しよう。災害時はインターネット上で手続き(クレジットカードが必要)できる場合もあるので、調べておこう。

 食事や水、宿泊先も、原則として自分で準備する。ボランティアバスなど、団体で赴く場合は用意されることもあるが、原則は自己完結だ。被災地の宿泊施設や飲食店は営業していなかったり、復旧関係者でいっぱいだったりすることもある。また食料や装備品は、地元の人の分を使ってしまわないよう、現地調達は避け、被災地に入る前にそろえよう。活動地から少し離れた、被災していない地域に宿を取り、通うのも手だ。

 一方で、被災地は観光や流通の滞りで経済的なダメージを受けることも多い。稼働しており、空きが多いようなら、被災地の宿や店を使うのも支援になる。

 これらの準備はいずれも、被災地に入る前にできる限り済ませるのが鉄則。そのためにも報道やインターネットなどで事前に十分な情報を集めて、被災地が求めていることの中で自分にできることは何か、そのために何が必要かを考えておこう。

情報収集に役立つウェブサイト

◇全国社会福祉協議会(全社協) 被災地支援・災害ボランティア情報

各地の社協などが設けているボランティアセンターの状況、ボランティア活動保険の案内など

https://www.saigaivc.com/別ウインドウで開きます

◇ボラ市民ウェブ

東京都社協が運営する東京ボランティア・市民活動センターのサイト。ボランティアの募集状況や募金などの被災地支援の案内

https://www.tvac.or.jp/別ウインドウで開きます

◇レスキューストックヤード

同団体のボランティア活動状況や、「災害ボランティアお役立ち情報」の項目には服装や携行品などの案内も

http://rsy-nagoya.com/別ウインドウで開きます

◇NEXCO東日本

災害ボランティア活動用車両の高速道路無料措置の案内。NEXCO中日本・西日本、首都高速、阪神高速、本四高速各社も同様の措置を実施

https://www.e-nexco.co.jp/road_info/important_info/h31/1015/別ウインドウで開きます佐藤卓史

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