台風19号はひと月前、千葉県に大きな被害をもたらした台風15号の被害に苦しむ被災者に追い打ちをかけた。屋根に張ったブルーシートが飛ばされて雨が家に入り込み、再び起きた停電に苦しめられた。
「もう取り壊すしかないかもしれない」
鋸南町岩井袋の理容師渡君子さん(81)は、屋根に張ったブルーシートと重しの土囊(どのう)がずれて、雨漏りする自宅を見上げながらつぶやいた。
ついこの間まで、家族6人で暮らしていた木造2階建ての家。約30年前、建てた時に梁(はり)に取り付けた木札は落ちた。「家の魂がもうなくなってしまったよう」
9月9日の台風15号の強風で、屋根が飛ばされ、家の中まで雨が降り注いだ。屋根の全面にブルーシートを張り、暮らせる望みをつないだ今月12日夜、台風19号に襲われた。カビで黒ずんだ室内に再び雨が漏れ、家はさらに傷んだ。
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家のそばには、電気工の長男…
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