中国企業が買収の東芝「白物」 意識変化で急成長

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高橋諒子
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 東芝から中国家電大手の美的集団に売却された白物家電の「東芝ライフスタイル」が、再起をかけて奮闘している。社員らは売却後の不安を乗り越えて新製品の開発やコスト削減に取り組み、2018年度は黒字化にこぎつけた。「東芝」ブランドと美的の販売網を組み合わせ、さらなる成長軌道を描こうとしている。

社員に広がった不安

 東芝が、赤字が続いていた白物家電子会社の東芝ライフスタイルを美的に売却したのは16年6月末。東芝ライフは売却直後に社員の意識調査を実施した。「これからどうなるのか」。調査では、中国資本に売却された会社の先行きや、職場環境の変化に対する不安の声が目立った。

 売却前は国内外の競合他社に押されて売上高が低迷。原発や半導体も抱える総合電機メーカーの中で白物への投資は優先順位が下がり、商品や広告費を絞る悪循環に陥っていた。2千人規模のリストラもあり、残った社員の間に不安が募っていた。

 今は美的が8割、東芝が2割を出資する。社員らは、意思決定までに会議や検査を繰り返し、石橋をたたいて渡るような「東芝流」から、走りながら考えるスピード重視の「美的流」への対応を求められた。部署の数を減らして意思決定を迅速にし、人事評価も成果を反映しやすい制度に変わった。

商品開発に変化

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 その効果は商品開発に表れて…

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