電凸の溝、埋めるには 「差別感情の解除と天皇の立場」

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聞き手・山下奈緒子
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 75日間開かれた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」は、企画展「表現の不自由展・その後」の中止と再開を通して様々な課題を浮き彫りにした。一連の動きに関心を持ち、期間中には関連イベントにも参加するなどした憲法学者の木村草太・首都大学東京教授に振り返ってもらった。

     ◇

――「表現の自由」に焦点が当たった今回の芸術祭をどう見ていますか

 トリエンナーレの表現自体は愛知県の検証委員会でもまったく問題になっていません。今回はイベントが脅迫で潰されそうになり、それへの対策ができたので再開したというもの。だから「表現の自由」に注目するのではなく、「脅迫されない権利」に注目して見ていくべき案件であったと思います。

――脅迫による展示中止から再開まで約1カ月ありました

 会期が2カ月超あったので「再開」の選択肢が選べましたが、最初の脅迫ファクスの送信元特定まで5日間あり、五輪の大事な試合や万博の重要なイベントだと取り返しがつかない事態になる可能性があると思いました。万博や五輪開催を控える大阪府東京都は、今回の事態を真剣に受け止め、愛知県と連帯し、警察とともに、脅迫が来たら即座に加害者を特定し対応できる対策を練るべきです。

――県庁は電話による攻撃(電凸)に向き合わねばなりませんでした

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