米軍撤退、見捨てられたクルド人勢力 アサド政権を頼る

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トルコ南部シャンルウルファ=其山史晃
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 シリア北東部で続くトルコ軍の越境軍事作戦をめぐり、トルコ軍から攻撃を受けている少数民族クルド人の武装組織「人民防衛隊」(YPG)を中心とする勢力が13日、アサド政権に軍事支援を要請した。シリア北東部を支配するYPGは、シリア内戦の勃発以来、アサド政権とは緊張関係にあったが、軍事的な「後ろ盾」だった米国に見捨てられたことで、政策転換に追い込まれた。

 アサド政権軍はすでにシリア北東部のYPG支配地域に向けて陸上部隊を進軍させており、トルコ軍と衝突すれば戦火が拡大するのは必至だ。アサド政権はロシアとイランから軍事支援を受けており、トルコはロシア、イランとの偶発的な衝突を避けるため、調整に乗り出す可能性もある。YPGの政策転換が、シリア内戦の構図を揺るがしかねない事態になっている。

 YPGを中心とするクルド人勢力はシリア北東部を中心に国土の約3割を支配している。首都ダマスカスや商業都市アレッポなど都市部を中心に約6割を支配するアサド政権に次ぐ勢力だ。内戦下、両者はこれまで激しい戦闘を交わすことは少なかったが、緊張関係が続いていた。なのになぜ、YPGは今回アサド政権に助けを求めたのか。

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