タジク初の金メダリストがドーピング違反 五輪前に激震

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ドゥシャンベ=岩佐友 吉田純哉
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 中央アジアの国、タジキスタンのスポーツ界がいま大きく揺れている。2016年のリオデジャネイロ五輪の男子ハンマー投げで同国初の金メダルを獲得したジルショド・ナザロフ(37)が先月、ドーピング違反で暫定的な資格停止処分となったのだ。04年アテネ五輪金メダリスト室伏広治(45)ともしのぎを削った国民的英雄の不正行為。本人は疑惑を否定するが、来年の東京五輪での連覇を期待していた関係者は困惑を隠せない。

 「私はクリーンだ。発表されていることは真実ではない。政治的な問題に巻き込まれたんだ」。15日、首都ドゥシャンベで取材に応じたナザロフはドーピング違反を真っ向から否定した。「日本には10回は行ったことがある。寿司が好きなんだ。潔白を証明して、来年の東京五輪にも出られるだろう。金メダルを取りたいね」。時折、笑顔を浮かべながら余裕たっぷりに語った。

 国際陸連の独立監視部門「インテグリティー・ユニット」から処分が発表されたのは先月24日。11年に韓国・大邱で開かれた世界選手権の検体から筋力増強作用のある禁止薬物への陽性反応が出たことによる処分だった。27日からドーハで行われた世界選手権は出場できず、来年の東京五輪の出場も危うくなってきた。

 15年の北京での世界選手権で銀メダルを獲得し、翌年のリオ五輪で悲願の金メダルをもたらしたナザロフはタジキスタンの英雄。陸上連盟の会長も務める有力者だ。街の至る所に写真やイラストが掲げられ、その数は25年間にわたり権力を握り続けるラフモン大統領に迫る。

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 それだけにタジキスタン五輪…

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