タンカー爆発、中東に新たな火種 詳細不明、声明もなく

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高野裕介 テヘラン=杉崎慎弥
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 サウジアラビア沖の紅海で11日早朝に起きた、イランの石油タンカーの爆発事件は中東で新たな緊張を生む恐れが出てきている。イランメディアによると、石油会社は「ミサイル攻撃を受けた」としており、何者かによる攻撃だった可能性がある。ただ、犯行声明は出ておらず、爆発現場に近いサウジアラビアからの反応はない。イランも犯行主体を名指ししておらず、詳細は不明なままだ。

 イランメディアによると、11日朝、イランのタンカー「サビティ」で、2度の爆発が起きた。イラン外務省は紅海の東側から攻撃を受けたと主張。東側にはサウジが位置する。

 核合意を離脱した米国が今年5月からイラン産原油の全面禁輸措置を開始。だが、イランは禁輸後も「原油輸出をとめることはない」と強気を貫く。海上での瀬取りなどで、輸出を続けているとみられる。イランは拿捕の恐れから、輸出のルートも「秘密を貫く」とするが、紅海はペルシャ湾から地中海に抜けるルート上にある。今回のタンカーもこのルートを取っていた可能性がある。

 先月14日にはサウジの国営石油会社「サウジアラムコ」の石油施設2カ所がドローンや巡航ミサイルによる攻撃を受けた。イランが関与したと主張するサウジとイランの対立が激化。サウジのジュベイル外務担当国務相が軍事行動も排除しないと述べていた。

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 だが、サウジ、イランともに…

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