かんぽ生命保険の不正販売問題を報じたNHKの「クローズアップ現代+」に日本郵政グループが抗議していた問題で、日本郵政の鈴木康雄副社長が、昨年9月にNHK経営委員会の森下俊三委員長代行と面会し、NHKの対応への不満を直接伝えていたことがわかった。11日の衆院予算委員会で、石原進経営委員長が明らかにした。

 経営委は昨年10月5日付の郵政3社長名の文書での要請に応じる形で、同23日に上田良一会長を「ガバナンス(統治)強化」名目で厳重注意している。その水面下で、元総務事務次官で放送行政に精通した鈴木氏が個別の経営委員に接触し、自ら働きかけていた。

 予算委に出席した石原委員長によると、鈴木氏が森下氏と面会したのは昨年9月25日。その場で鈴木氏は、郵政側が8月に上田会長宛てにガバナンスの検証を求める文書を送りながら、NHK側から文書での回答がない点や、NHKのガバナンスのあり方について「非常に不満を言っていた」という。関係者によると、面会した森下氏は「経営委に正式に申し入れてほしい」などと伝えたという。

 予算委に出た鈴木氏はこの日、「圧力をかけた記憶は毛頭ない」などと述べていたが、その後の報道陣の取材には応じなかった。経営委事務局は、経営委を巡る一連の問題については「今月15日の経営委後に石原委員長が説明する」としている。

 一方で、鈴木氏はこの日の予算…

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