「グローバル化=英語」ではない メルカリ流の多様性

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村井七緒子
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 企業の業務が多様化、国際化する中、様々な国籍の社員がともに働くことは珍しくありません。そうした状況に合わせて、社内の「公用語」を英語にする動きが広がってきました。一方、よりわかりやすい日本語を話し、外国人社員とのコミュニケーションを円滑にしようとする動きも出ています。会議は日本語と英語が混じることもあり、日本人が日本語のわかりやすい表現を学ぶ――。フリマアプリ大手のメルカリが続ける試みを追いました。

どんな言い方がわかりにくい?

 8月中旬の夕方、六本木にあるメルカリの東京オフィスの一室に、日本人4人とドイツ人1人のエンジニアチームが集まった。主に日本人社員向けの「やさしい日本語」の講座だ。

 この日は全3回の講座の初回。メルカリ社員で日本語トレーナーのウィルソン雅代さんはこう切り出した。

 「日本語が母語の人には、はっきり言うことをためらう人が多い。何を言わなければいけないかを考えると、やさしい日本語になります」

 「やさしくない日本語」の例として、ウィルソンさんはこんな言い方を挙げた。

 「以前お知らせさせていただいたXの件なんですけど、締め切りはまだだったと思うんですが、お手数おかけしてしまいますが、今週中までとさせていただけたら助かるなーと思っています」

 講座に参加した唯一の外国人メンバーでドイツ出身のダニエルさんは、「ちょっと難しいですね」。

 ではどんな言い方がいいのか。ウィルソンさんはこう言い換えた。

 「お願いがあります。Xの件…

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