かんぽ生命保険で大規模な不適切営業が明らかになった日本郵政グループ。過剰なノルマが一因とされ、日本郵政はかんぽの保険商品でのノルマ廃止を表明した。さらに同グループではゆうちょ銀行の投資信託商品でも不適切営業が発覚。だがこちらについては、原因はノルマではなく、ルールへの認識不足だったなどとの説明を続けている。ノルマは原因ではないのか。現場の職員の声から実態を探った。
西日本地方にあるゆうちょ銀の支店で9月下旬、若手の行員が営業電話をかけていた。
「定額貯金の金利は0.01%しかない。別の商品をご案内させてもらってもいいでしょうか」
相手はゆうちょ銀に口座を持つ60代の男性客。営業管理システムに自動で表示される「定額貯金が満期になる顧客リスト」のひとりで、投資信託を売り込む先として割り当てられたものだ。
行員は投信を勧めようとしたが、すぐに男性客にこう叱られた。
「かんぽ生命であれだけ問題に…