「足蹴られ、髪を引っ張られ」 冤罪との闘い、語り合う
高橋豪
身に覚えのない罪に問われ、人生が一変する人が後を絶たない。潔白を示すための闘いを経験した人たちが、10月3日に徳島市内であった日本弁護士連合会(日弁連)の人権擁護大会で語り合った。(高橋豪)
――身に覚えのない罪に問われた時の感情は
青木恵子さん 警察に協力するつもりだったが犯人扱いされた。厳しい取り調べで自白してしまい、訳のわからないまま起訴されたが、無罪になると思っていた。無期懲役と言われた時は、「これは日本の裁判なのかな」と絶望した。刑務所に行く時は悔しい思いもあったが、再審という道があるとわかり、疑いを晴らすには闘い続けるしかないと思えた。
菅家利和さん 刑事がいきなり家に来て、玄関を開けるなり「お前、子ども殺したな」「早くはけよ」と言われた。署での取り調べで、「証拠はあるんだぞ」と言われたが、DNA鑑定の結果は聞かされなかった。苦しかった。足を蹴られ、髪の毛を引っ張られ、どうにもならないと思い自白してしまった。裁判で否認に転じたが、弁護士は何も調査をしなかった。28年経ったが、簡単に許せる訳がない。
――弟が冤罪(えんざい)だ…
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