「意識されず穏やかな菌」 院生発見、カビ予防の立役者

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原口晋也
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 長崎国際大(長崎県佐世保市)の大学院生が、土壌の細菌にカビの発生やにおいを抑える効果があることを確認した。この菌を活用した防カビ・消臭ステッカーは全国展開の生活用品店で売り出されている。

 同大大学院薬学研究科の大崎千尋さん(30)は佐世保市の薬局で薬剤師として働いた後、母校に大学院ができたと知り、「学び直したい」と仕事をなげうって2016年に入学した。これまで1万種以上の菌を分析し、数百種の有用菌を確認した指導教官の佐藤博教授(60)から勧められ、長崎市の住宅地の土壌にある菌の分析を始めた。

 のちに「TM―I(アイ)―3株」と命名することになる菌を入れた容器と、入れない容器でカビの繁殖具合を比べた。TM株を入れた容器は、繁殖しやすい温度下で7日たってもカビはほとんど増えなかった。一方、TM株を入れない容器は同じ条件でカビが一面に広がった。餅に生えるカビ、風呂場のカビなど生活空間のカビのほか、肺炎を引き起こす肺アスペルギルス症や夏型過敏性肺炎の原因カビでも同様の結果だった。

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 これを受け、バイオ技術を使…

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