吉野さんが考えた理想の研究環境は 昨年、取材に語る
聞き手・峯俊一平
ノーベル化学賞の受賞が決まった旭化成名誉フェローの吉野彰さんは2018年、朝日新聞の取材に応じ、基礎研究の大切さについて語っていた。
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文部科学省や財務省は大学に「とにかく役に立つ研究をしなさい」と、予算も手厚くしています。その反動として、基礎研究、いわゆる真理の探究や研究者自身の好奇心に基づくような研究を進めづらくなっています。
どちらの研究も必要です。大学の先生100人が基礎研究に徹すれば、確率的には1人ぐらいは世界初の発見につながる成果が出せるかもしれません。役に立つ研究は目標が決まっているので、世界がびっくりするような成果は出せませんが、予想した目標をしっかり実現するという使命は大切なものです。
そこで私が考える理想は、大…
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