【詳報】小泉環境相は無難な滑り出し 新人閣僚ら初答弁
開会中の第200回臨時国会で衆院予算委員会が10日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して開かれました。首相出席の予算委は半年ぶりで、参院選と内閣改造の後では初めて。野党の追及に対し、首相や側近の閣僚、小泉進次郎環境相ら新任閣僚はどう答弁したのか。タイムラインで詳報し、記者が解説しました。
野党統一会派、苦い船出(寸評=斉藤太郎記者)
10日の衆院予算委員会では、臨時国会前に立憲民主党や国民民主党などが結成した野党統一会派の政権追及が注目されました。議員らはこの日、関西電力の役員らによる金品受領問題に照準を定め、臨みました。政権側から意味のある答弁を引き出せたのでしょうか。
原発行政を担う菅原一秀経済産業相は、関電の問題について「9月27日の報道で初めて知った」と答弁しました。こうなると、野党側も「しっかり監督しなさい」ぐらいしか言いにくくなってしまいます。野党側の追及に対し、菅原経産相は「関電をかばうつもりは全くない」という姿勢でかわしきった印象です。
「この問題は政府に届かない」。質問に立った野党議員の一人はこぼしました。関電問題で政権に大きなダメージを与えるのは難しい、という意味です。
政権追及ばかりでなく、社会的に問題となった不祥事の原因を究明し、再発防止を図るのも、国会議員の大切な仕事です。関電問題は大々的に報道され、野党がテーマとして取り上げたくなるのも理解できます。ただ、与党側は関電役員らの参考人招致を拒否。「当事者」が不在の中で論戦を挑む展開になり、なかなか思うような結果は出ませんでした。
今回、統一会派は「旬」のテーマを選びましたが、関電役員とやりとりできないと判断した時点で戦略を練り直す手もあったと言えるでしょう。統一会派の予算委での本格論戦は、「苦め」の船出となりました。
明日11日は終日、野党議員による質問になります。統一会派は「あいちトリエンナーレ」への補助金全額不交付の問題や、新任閣僚の資質など、戦線を拡大して臨む構えです。
予算委、初日終わる(17:00)
約半年ぶりとなった衆院予算委員会の初日が終わった。臨時国会前に立憲民主党や国民民主党などが結成した野党統一会派は、関西電力の役員らによる金品受領問題を中心に論戦を挑んだ。具体的には、安倍晋三首相や菅原一秀経済産業相らの見解をただした。
ただ、野党が求めている関電役員らの参考人招致が実現しない中での質疑で、問題の真相究明は足踏み状態が続いた。あすの衆院予算委は終日、野党側の質問時間となる。
「関電問題、首相は知っていたのでは?」(17:00)
「森羅万象を担当する総理大臣は、税務情報についても知っていたのではないか。関西電力役員が金品の受領問題で大変らしいということを知っていたのか、知らなかったのか」
予算委員会で質問に立った立憲民主党の川内博史氏は、「森羅万象」を4回連呼し、安倍晋三首相に迫った。
首相が今年2月の通常国会で「総理なので森羅万象を担当している」と発言したことを皮肉ったものだ。関電役員らに送られた金品の原資の提供元とされる会社への金沢国税局の調査が問題発覚のきっかけとなったことから、首相は国税庁から報告を聞いていたのではないかと尋ねた。
首相は「私が森羅万象を担当していると言ったのは、森羅万象について責任を持たなければならないということであって、すべて知っているわけではない。税務情報を知りうることはあり得ない」とかわした。
「与党は隠蔽図るのか」 関電問題で馬淵氏(16:00)
「参考人(招致)を求めない与党は、事態の隠蔽(いんぺい)すら図っているのではないか」
関西電力の金品受領問題に焦…
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