「情報発信も命を助ける医療だと気がついたから」

有料記事がんとともに

上野創
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 「民間療法に多額のお金を投じた根底には医師への信頼がありました。医師免許を持っている人が商売まがいの治療、著書を出すなどとは思いもしませんでした」(夫の後を継いだスキルス胃がん患者会「希望の会」理事長、轟(とどろき)浩美さん)

 2019年9月29日、渋谷・ヒカリエで「SNS発信の医師4人集結のトークイベント」がありました。ネット上などの医療情報がテーマで、タイトルは「知って、届けて、思い合う~やさしい医療が開く未来」。朝日新聞のニュースサイト「withnews(ウィズニュース) https://withnews.jp/別ウインドウで開きます」が主催し、ツイッターフェイスブック、ブログなどで医療の専門家として情報を発信している人たちが語りに語って、会場は100人以上の聴衆の熱気であふれました。

 多くのフォロワーがいる「病理医ヤンデル」「外科医けいゆう」「アレルギー専門医ほむほむ」の各氏は、リアルな講演の場でも、さすがの分析力とプレゼン力でした。そのさえた言葉と知見は「#やさしい医療情報」で検索すると読むことができ、withnewsでもアップ予定です。極めて多忙な中、「患者のために」という熱意を胸に発信を重ねている方々に、尊敬と感謝の気持ちがわきました。

手遅れ。医師として悔しさ

 私の心に特に響いたのは大須賀覚先生(40)の言葉でした。「情報発信も命を助ける医療だと気がついたから」。がん治療や先端研究の最新の情報を発信するとともに、根拠のない治療への警鐘を鳴らし続けている理由をそう語ったのです。

 大須賀さんはかつて悪性脳腫…

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