山形)仮想空間を「風景画」 原田さん故郷村山市で個展

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西田理人
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 コンピューターグラフィックス(CG)で仮想の世界をつくり、その風景をカンバスに描く――。村山市出身の現代美術家・原田郁さん(37)=さいたま市=が2009年にユニークな制作を始めて10年が経った。最上川美術館・真下慶治記念館(村山市)で開催中の個展は、原風景は故郷という作品で10年の歩みを振り返っている。

 生き生きとした色彩と単純な図形で構成された、建物や木が並ぶ画面はゲームの世界のよう。建物や柵を間近から描いた作品は、抽象画のようにも見える。いずれも、3次元CGで自作した仮想空間「inner space」をアクリル絵の具で描いたものだ。仮想空間は、家や山、湖などが点在し、原田さんの内面を表現している。09年に初めて発表して以来、手を加え続けている。原田さんは「作り始めて3年ほど経った時、最上川や葉山、甑(こしき)岳といった故郷の景色が原風景になっていると気づいた。雪尺やかまぼこ屋根といった東北らしいモチーフも入っています」と話す。

 絵を描くときは、コンピューターを操作して仮想空間内を「探索」する。描きたい構図を見つけたら、カンバスにプロジェクターで投影して描く。

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 山形西高校を卒業後、東京造…

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