舞台は秩父、せつなく不思議な四角関係(小原篤のアニマゲ丼)

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 「空を飛びたかったんです。前の2作が地味というか、地に足のついた話だったので、今回の映画にはアニメ的な華が欲しくて。それでクライマックスは、感情を爆発させて解放感いっぱいに空を飛びます」

 そう語るのは、11日から公開中の長編アニメ「空の青さを知る人よ」の長井龍雪監督。脚本の岡田麿里さんとキャラクターデザイン&総作画監督の田中将賀さんとのトリオで、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」に続いて送り出した3部作の第3弾となります。

 前2作と同じく、舞台は埼玉県秩父市(岡田さんの故郷)、主人公は高校生、切なくて泣ける青春物語。奥行きのある人物たちの複雑に絡み合った人間関係が、クライマックスで浄化されていく快感を味わえます。加えて、オトナというか半分オトナの「人生の選択」(何を幸せとする生き方を選ぶか)について深い洞察を見せてくれるところに、作り手の成熟を感じます。テーマは「井の中のかわず大海を知らず、されど空の青さを知る」。タイトルになっている「空の青さを知る」には、いろんな意味が込められていると感じました。「幸せは身近にある」「価値は自分の目で見極める」「人生の基準を自分以外に置くのもアリだよ」――。

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