角刈りの「大泥棒」 受刑者にも愛される松喬の素顔
文・篠塚健一 撮影・槌谷綾二
泥棒をやらせたら右に出る者はいない、と言われる落語家が関西にいる。七代目笑福亭松喬(しょきょう)(58)だ。あくまでも落語のなかの話だが、泥棒の神髄とは?
毎年、刑務所を訪れては受刑者たちを落語で笑わせている。足かけ30年。「塀の中の聞き手」だった一人からだろう、こんな報告が記された手紙をもらった。
「先生のようにやっと、社会復帰できました」。刑務所暮らしの経験はない。でも仲間のように思ってもらえるのは、噺家(はなしか)としてはまんざらでもない。親近感を持たれるわけはおそらく先輩噺家のこの言葉にある。
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「お前に長屋から出てくる泥…
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