台所の床に広がるカビ。風呂場の4寸柱は虫に食べられ、真ん中が空洞だ。この柱がダメになったら建物はもつだろうか。
昔、マグロ船の船乗りだった佐藤悦一郎さん(75)は、石巻市貞山4丁目の家に一人で暮らす。震災のとき、津波は1階の背の高さ以上の所まで来た。倒れた家具で足にけがをし、しばらく2階で過ごした。
仮設住宅に移りたかったが、「あなたは家があるからダメ」と言われた。被災判定は大規模半壊。被災者生活再建支援金や市の補助金などを充て、300万円で1階の居室部分だけは直した。金が尽き、ほかは手が回らなかった。
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生活は苦しい。年金は2カ月…
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