故人の入れ歯、祭壇前にズラリ 実は燃やせなくて…供養

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天野彩
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 10月8日(いれば)は「入れ歯の日」。亡くなった人などが使っていた入れ歯をおはらいする供養祭が、札幌市中央区の北海道神宮頓宮であった。神宮によると、入れ歯を供養するのは初めてで、全国でも珍しいという。

 この日の朝、頓宮2階の一室の祭壇には、バナナやリンゴ、ナシなどの果物や酒などが供えられ、その横には、白い布に包まれた入れ歯が置かれた。同頓宮課長で神主の中島忍さんが大麻(おおぬさ)を振っておはらいをし、役目を終えた入れ歯への感謝の言葉を口にした。さらに、「入れ歯をする人が食事や会話を楽しめる日々が今後も続きますように」ととなえた。一連の儀式では、日本古来の言葉が用いられた。

 供養されたのは、入れ歯専門の歯科医院「コンフォート入れ歯クリニック」(同区)で回収した136個の入れ歯だ。

 同医院の池田昭理事長が「入れ歯をした人が亡くなると、プラスチックは燃やせないので外すように言われることが多い。捨てることもできずに困っている遺族が多いのではないか」と考え、神宮に「供養できないか」と持ちかけた。

 依頼を受けた中島さんは「常に身につけていたものには、人の気持ちがこもる。断る理由はない」と受け入れ、実現した。

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