兆候見抜けず?テロ当初否定で仏内相窮地 パリ警察襲撃

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パリ=疋田多揚
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 パリ警視庁で職員の男が刃物で同僚の警察官ら5人を死傷させた事件で、同庁を管轄するカスタネール内相が窮地に陥っている。事件直後に「容疑者に危険な兆候は一切見当たらなかった」などと、テロではないかのような説明をしていたのが一転し、ミカエル・アルポン容疑者(45=死亡)がイスラム過激思想に染まっていたことが明らかになったためだ。テロ対策を担う警察の中枢で起きた事件に国民は衝撃を受け、野党は内相の辞任を求めている。

 マクロン大統領は8日、カスタネール氏とともに警視庁で開かれた追悼式典に出席。4人の犠牲者を悼んだ上で、「結束してイスラム主義に立ち向かおう。イスラムのテロと戦おう。最後に我々は勝利するだろう。犠牲者のためにもそうするのだ」などと厳しい口調で国民に結束を呼びかけた。

 仏検察によると、容疑者は10年ほど前にイスラム教へ改宗。2015年に預言者ムハンマドを風刺した週刊紙「シャルリー・エブド」が襲撃された事件を正当化する発言を同僚に漏らしていた。仏紙パリジャンによると、パリ郊外の容疑者宅からは、過激派組織「イスラム国」(IS)の宣伝動画が複数入ったUSBメモリーが押収されたという。

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 だが、仏政府はこうした兆候…

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