「ボクはやってない」救うには 周防監督ら冤罪を語る
佐藤祐生
冤罪(えんざい)をなくすにはどうすれば――。痴漢冤罪事件を取り上げた映画「それでもボクはやってない」の監督・周防(すお)正行さんと、ジャーナリストの江川紹子さんが10月3日、徳島市で開かれた日本弁護士連合会(日弁連)の人権擁護大会で対談した。司法の現状に厳しい指摘が相次いだ。
新聞社で司法担当、最初は抵抗
――刑事裁判に関心を持つようになったきっかけ、また、裁判を傍聴するようになって感じたことは
江川 神奈川新聞に就職し、まず警察を担当した。朝早くから夜中まで、圧倒的に警察官との付き合いが長かった。その時は警察が逮捕し、自白したら「いっちょ上がり」みたいな感じでした。
その後、司法の担当に変わった。裁判と弁護士を担当することに「嫌です」と抵抗した。警察官から「我々がこんなに苦労してやっているのに、弁護士がつくと(容疑者が)否認して本当に大変なんだ」と、いっぱい聞いていたから。
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そんな中で冤罪事件に巡り合…
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