SNS拡散対策・憲法で論陣 貫いた不自由展再開の意欲

有料記事トリエンナーレを考える

岩尾真宏 江向彩也夏
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 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(津田大介芸術監督)の企画展「表現の不自由展・その後」は8日午後、展示が全面的に再開される。14日の会期末まで1週間を切る中、なぜ再開にこぎ着けられたのか。

 7日夜、愛知県庁で臨時の記者会見に臨んだ芸術祭実行委員会会長の大村秀章愛知県知事は、「こういう形で中止に追い込まれたものが、全面再開する例はないと聞いている」と胸を張った。

 中止した時の状態での展示再開をベースに「展示の一貫性」を強く主張する不自由展側に対し、会場の安全確保を重視した芸術祭実行委。会見で、大村氏は安全面での協議に時間を割いたほか、SNSの扱いに苦慮したことを明かした。

 展示中止後の検証委員会の中間報告は「SNSで拡散される映像のみを見る人には説明は通用しない」と指摘。再度の混乱を防止するにはSNS対策が不可欠で時間をかけた。結局、来場者の手荷物は預かり、動画撮影は禁止、SNSでの拡散防止は「誓約書」を書くほか、身分証明書も確認する厳格なものとなった。

 8月だけで1万件を超えたと…

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