北朝鮮へ抗議する唯一の手段 「北京大使館ルート」の謎

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太田成美
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 北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射のたびに、日本政府は北朝鮮に対して「抗議」をしている。その際に使う連絡手段として日本政府が必ず説明するのが、「北京の大使館ルート」だ。だが、その内容は秘密のベールに包まれている。一体どのように「抗議」しているのか――。

 2日夕、自民党本部で急きょ開かれた北朝鮮核実験ミサイル問題対策本部の会合。「抗議は本当に北朝鮮に伝わっているのか!」。出席議員が外務省の幹部らに、北朝鮮への抗議の手段を問い詰めていた。

 この日朝、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下。弾道ミサイルの発射は国連安全保障理事会の決議違反でもあり、政府は「北京の大使館ルート」を通じて、北朝鮮に「厳重に抗議」をしたと表明していた。

 非公開の会合の出席者によると、外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長が「どのような形で抗議したかは申し上げることができない」と答えると、「なぜ言えない!」と不満が噴出した。二階俊博・党幹事長も「しっかり答えないと、(茂木敏充・外務)大臣に来てもらわなきゃならんことになるかもしれないぞ」とすごんだが、滝崎氏は詳細を語らなかったという。

 「北京の大使館ルート」とは…

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