源氏物語、定家筆の「若紫」写本発見 一級の研究資料
小林正典 大村治郎
平安時代中期の長編物語で、紫式部作の「源氏物語」の写本のうち、最古とされる鎌倉時代の藤原定家(ていか)(1162~1241)筆の「若紫(わかむらさき)」の巻の写本がみつかった。現存が確認された定家筆の写本では5冊目となり、「若紫」の発見は初めて。主人公の光源氏がのちに妻となる紫の上と出会うなど物語のハイライトが描かれ、今後の源氏物語の研究や教育に影響する可能性が指摘されている。
定家を祖先に持つ冷泉(れいぜい)家の文化財を保存管理する冷泉家時雨(しぐれ)亭(てい)文庫(京都市上京区)が、8日発表した。
今年2月、三河吉田(みかわよしだ)藩(愛知県豊橋市)の大河内(おおこうち)家の当主、大河内元冬さん(72)の東京の自宅でみつかった。縦21・9センチ、横14・3センチで、納戸の長持(ながもち)の中に保管されていた。1743(寛保3)年に福岡藩の黒田家から大河内家に伝わったと記録され、4月に冷泉家に調査を依頼し、同文庫が定家筆と確認した。
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源氏物語は紫式部の自筆が伝…
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