ヘルメットなしで百名山? 御嶽山噴火5年、教訓はいま
近藤幸夫
死者58人、行方不明者5人を出した長野・岐阜県境にそびえる御嶽山(3067メートル)の噴火災害から5年が経ちました。活火山の災害の恐ろしさと噴火予知の難しさを見せつける出来事でした。2014年9月27日に発生した大惨事の教訓は、他の活火山でも生かされているのでしょうか――。
登山ブームが続くなか、活火山での登山者の実態を探るため、9月中旬、長野・岐阜県境にそびえる北アルプス・焼岳に登りました。
焼岳は、北アルプス有数の山岳観光地・上高地からも入山できる日本百名山の一つです。御嶽山で被害が拡大したのは、御嶽山も日本百名山だったことが大きな理由の一つです。
標高2150メートルまでロープウェーが利用でき、険しい岩場もほとんどありません。登山初心者でも手軽に登れるため、噴火当時、山頂は大勢の登山者でにぎわっていたのです。
焼岳は、夏山、秋山シーズン中、全国から大勢の登山者が訪れます。活火山でもあり、現在、気象庁の噴火警戒レベルは「1」。北峰(2444メートル)と南峰(2455メートル)の二つの山頂があり、北峰のみ登山が許可されています。
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上高地から樹林帯を抜けると…
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- 近藤幸夫(こんどう・ゆきお)元朝日新聞山岳専門記者
- 1959年。岐阜市生まれ。信州大学農学部卒。86年、朝日新聞入社。初任地の富山支局で、北アルプスを中心に山岳取材をスタート。88年から運動部(現スポーツ部)に配属され、南極や北極、ヒマラヤで海外取材を多数経験。2016年から山岳専門記者として活動。今年からフリーランスに。