石綿被害、国と和解後に死亡・悪化 追加賠償求め提訴へ

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平賀拓哉
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 アスベスト(石綿)関連工場の石綿被害をめぐり、被害の程度に応じて賠償金を受け取れる仕組みで国と和解した後、亡くなったり病状が悪化したりしたなどとして、元労働者と遺族の計7人が9日、元労働者1人当たり追加の賠償金660万~165万円を求めて大阪地裁に提訴する。

 国の責任を認めた2014年の最高裁判決から5年たつが、今も被害者は徐々に体をむしばむ石綿に苦しむ。厚生労働省によると、今年9月末時点で1619人がこの仕組みで提訴し、1217人が和解している。今回の訴訟の代理人を務め、泉南アスベスト国賠訴訟に取り組んできた大阪アスベスト弁護団(ホットライン=090・3273・0891、平日午前10時~午後6時)は、和解後に病状が悪化した被害者たちの差額請求を支援していくという。

 訴えるのは、国の安全規制の不備があったと最高裁が認めた1958~71年の期間に大阪府南部の泉南地域の石綿工場で働いたことがある女性2人と、その後亡くなった男女3人の遺族5人。

 この元労働者5人は2014~18年、作業中に吸い込んだ石綿が原因で肺がんや石綿肺になったなどとして国を提訴し、和解で1265万~605万円の賠償金を受け取った。しかし、3人が和解後に死去し、他の2人も病状が重篤化するなどしたという。

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 肺がんの場合、生存時に和解…

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